九州大学大学院医学研究院眼科分野 九州大学医学部 眼科

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加齢黄斑変性

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れいおうはんへんせいとは

動画で解説

 目に入った光は、角膜、水晶体、硝子体を通して目の奥の眼底にある網膜上に像を結びます。網膜の中央部に黄斑(おうはん)が存在します。黄斑は網膜の中でも視力をつかさどる重要な細胞が集中している部位で、ものの形、大きさ、色、立体、距離など光の情報の大半を識別しています。黄斑に異常が発生すると、視力の低下をきたします。症状は、視力低下のみならず、歪視(ゆがんで見える)中心暗点(中心部が暗く見える)などです。


■加齢黄斑変性 黄斑部の断面図

 加齢黄斑変性症には、滲出型と萎縮型の2つのタイプがあります。滲出型は深刻なタイプの加齢黄斑変性症で、黄斑の裏側に病的な破れやすい血管(脈絡膜新生血管)が新しく形成し、ここから血液や滲出液が眼底に漏れ出します。その結果、黄斑が変形したり傷ついたりして、中心視力が損われ、視力低下をきたします。その病的な脈絡膜新生血管の発生、成長に血管内皮細胞増殖因子(VEGF)という物質が大きく関与していることが知られています。

加齢黄斑変性について詳しく

滲出型加齢黄斑変性に対する光線力学療法

九州大学眼科では2004年7月より
滲出型加齢黄斑変性に対する光線力学療法を行っています。


■加齢黄斑変性に対する光線力学療法

 滲出型加齢黄斑変性の治療はこの脈絡膜新生血管(CNV)をいかにつぶすかがポイントです。しかし、この新生血管をうまく消し去るのは容易ではありません。従来行われてきた光凝固は新生血管と一緒に網膜の正常構造も大きく破壊してしまうため、黄斑の真下に存在するCNVに対しては行えませんでした。光線力学的療法はベルテポルフィンという光感受性物質を注射し、それがCNVに集まっている時間帯をねらって特殊なレーザーを照射します。この特殊なレーザーのパワーは弱く、正常な網膜にはほとんどダメージがありませんが、ベルテポルフィンの光化学反応を引き起こし、悪玉であるCNVだけにダメージを与えることができます。我が国では2000年より当院を含めた5施設で臨床試験が行われ、欧米よりもさらによい治療成績を得ることができました。九州大学眼科でも多数の患者様に対して光線力学療法施行し、良好な治療成績を得ています。近年、治療の主体は、後述する抗血管新生薬療法にとって代わられていますが、現在でも、光線力学療法は滲出型加齢黄斑変性の重要な治療の選択肢の一つであることは間違いありません。

滲出型加齢黄斑変性に対する抗血管新生薬療法

九州大学眼科では2009年1月より
滲出型加齢黄斑変性に対する抗血管新生療法を行っております。


■加齢黄斑変性に対する抗血管新生薬療法

 滲出型加齢黄斑変変性では、その原因である病的な脈絡膜新生血管の発生、成長に血管内皮細胞増殖因子(VEGF)という物質が大きく関与していることが知られています。
 抗血管新生薬療法は、その血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を特異的に阻害し、病的な血管の成長や血液などの漏出を抑え、視力が低下する速度をゆるやかにします。米国では2004年に新生血管を伴う滲出型加齢黄斑変性の治療薬が承認され日本でも2008年7月に薬剤が認可されました。この治療によって、新生血管の成長を抑制し、ある程度の視力の向上を得たり、病気の進行を遅らせたりすることができます。しかし、この治療をおこなっても完治することは難しく、以前のような視力まで回復することは困難と考えられています。また注射後約4週間または6週間で薬剤の効果が軽減しますので、その間に病気が再発して再注射が必要となることがあります。海外の報告では年間の注射の回数は平均5.6回と言われています。またこの薬剤(ラニビズマブ、アフリベルセプト、ペガプタニブ)は高価な薬ですので、経済的な負担も無視できません。近年は前述した光線力学療法との併用により、注射の回数を減らせることがわかってきています。これらの治療で加齢黄斑変性患者さんの生活が少しでもよいものとなるように、我々スタッフ一同、フル回転で治療に当たっています。詳細は当院外来へお問い合わせ下さい。

日本眼科学会

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