入局1年目の筒井紘樹と申します。
僕は九州大学卒業後、佐賀県医療センター好生館で1年間・九州大学病院で2年間の初期研修を終えて、今年度を九州大学病院で病棟医として過ごしています。眼科病棟では、病棟医長の石川先生の下、病棟主任の中武先生・山口先生、病棟医、初期研修医で2チームに分かれて病棟業務を行なっています。時には厳しく、時には和気あいあいと切磋琢磨しながら日々の業務に励んでおります。
週に2回の手術日のほか、週に1回の一般外来、週に1回の専門外来に出ています。大学病院ですので数多くの疾患に触れることができ、発表の機会もあります。
そんな僕の病棟医としての、とある1週間をご紹介します。
教授回診、入院診察、医局会
朝の診察を終えたら、園田教授の総回診があります。担当患者さんの現状、治療方針を頭に入れてプレゼンします。治療方針がすぐには決まりにくい難症例についてご相談することもあります。翌日が手術日なので、午後は入院の患者さんの診察、検査を行います。夕方の医局会では、各分野の専門の先生方が集まるため、こちらでも症例相談をします。鑑別疾患や追加すべき検査、治療方針について熱い議論が交わされます。手術症例についての報告や、それぞれが経験した疾患について論文を多数交えながら報告し合います。また、学会の予行などが行われることもあります。現在はコロナ禍の影響でwebでの医局会となっています。
手術
火曜日は手術日です(もう一つのチームは専門外来でぶどう膜炎、網膜色素変性・緑内障、未熟児外来で勤務しています)。
行われている手術は、最も多い白内障の手術のほか、硝子体手術、緑内障手術、眼形成手術など、多岐に渡ります。
最近では助手につかせていただいて勉強するだけでなく、白内障手術などを執刀させていただくようになりました。助手に入る時とはまた違った景色が見え日々苦戦しております。一緒に術野に入ることで、動画などで勉強する以上に立体的で臨場感のある手術を見ることができて大変勉強になります。大学の性質上難症例も数多く、先生方のテクニックに驚愕するばかりですが、いつかはそうなりたいものです。
術後回診、ウェットラボ
水曜日は前日に手術を行なった患者さんの診察を行い、朝の術後回診に備えます。視力の改善を自覚されたという声を聞けることもあり眼科医冥利に尽きます。
夕方には豚眼を用いたウェットラボで白内障手術のトレーニングを行います。実習で回ってくる学生に教えながら新たに気づくこともありますし、先輩方からご意見をいただいくこともあります。実際の白内障手術で躓いたポイントをおさらいするいい機会でもあります。
最近はコロナ禍の影響でウェットラボができない日も多いですが、代わりに模擬眼でも練習に勤しんでいます。
専門外来
木曜日は専門外来の日です(もう一つのチームは手術日です)。午前は加齢黄斑変性の外来に出て、午後は網膜硝子体外来に出ています。朝の外来の前に、加齢黄斑変性症の疾患について勉強会を行い、外来に臨みます。治療方針や薬剤の投与方法など、先生方に相談しながら治療にあたります。午後は糖尿病網膜症の方や硝子体手術後の患者さんを診ます。経過が良好であることにホッとしながら過ごします。入院してくる患者さんは治療方針が決まっていることが多いですが、外来では治療方針に頭を悩ませることも多くとても勉強になります。
一般外来、翌週の準備
金曜日は一般外来があります。ご紹介いただいた新患の方や、長いこと当科で加療されている方、疾患も多岐に渡ります。各専門分野の頼もしい先生方がいらっしゃるので、どんどん質問します。自分では思い至らないような鑑別疾患が上がってくることもあり、大変勉強になります。最高のバックアップのもと診療に当たれることは若手医師にとって最大のメリットです。また、翌週の担当症例について勉強して備えます。その週に疑問に感じたことを放置せずに、教科書や論文を通して勉強します。
お休み
週末は入院中の患者さんの診察のほか、余った時間で学会などの準備に没頭します。土日のどちらか1日は、丸一日休暇が取れるようになっており頭の中をリフレッシュして、翌週の診療業務に集中できるよう、心身を整えます。