九州大学大学院医学研究院眼科分野 九州大学医学部 眼科

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座談会04 指導医に聞いてみた 出席者:長谷川英一、山名智志
出席者プロフィール
  • 長谷川 英一
    長谷川 英一

    平成16年九州大学卒。眼科医になって十数年、アメリカ留学を経て大学に戻り勇往邁進中(実際は曲往漸進・・・)。専門はぶどう膜炎をはじめとする眼炎症性疾患です。

    趣 味  : ホークス、夜中のお菓子
  • 舩津 淳
    舩津 淳

    平成26年大分大学卒。平成28年に九大眼科入局、平成30年より大学院入学、大学院2年目。現在、眼免疫の研究をさせて頂いておりますが、今日は私の指導医である長谷川英一先生に、研究を始めたきっかけやこれまでの研究、将来の展望についてお話を伺いました。

    趣 味  : 映画鑑賞
山名:
大学院2年目の山名です。現在眼免疫の研究をさせて頂いておりますが、今日は私の指導医の長谷川先生に研究を始めたきっかけやこれまでの研究、将来の展望についてお話を伺おうと思います。
長谷川:
参考になるか分かりませんが、宜しくお願いします。
どうして研究を?
炎症はオーケストラみたいで面白い
山名:
まず、先生が研究を始めようと思ったきっかけについて教えてください。
長谷川:
元々研究したいという希望があったわけでは無く、先輩方が大学院に入って研究しているのを見て、臨床とは違うことを経験するのもいいかなと思って大学院に入りました。免疫をテーマに選んだのは、学生時代から炎症はたくさんの免疫細胞がそれぞれに役割を持って病態を作り上げているという点がオーケストラみたいで面白いなと学生時代から思っていて、ちょうど園田先生のお誘いもあって免疫の研究に進みました。今は、逆に免疫細胞の種類が多いために病態が複雑であることで苦労させられていますけどね。
長谷川先生
山名:
大学院に入学してからこれまでどのように研究されて来られたのですか。
長谷川:
入学後は眼科の研究室で、眼科的な実験手技や解析方法を身につけながら研究していました。もし機会があれば基礎の研究室でも免疫学を学んでみたいなと思っていたところに、幸い慶應大学微生物学免疫学教室に国内留学の機会をもらえました。3年間在籍させてもらいましたが、免疫の深いところも勉強出来て非常にいい経験でした。
山名:
基礎の研究室と臨床の研究室は違いましたか。
長谷川:
慶應では免疫細胞の分化・生存や機能に焦点を当てた基礎的な研究や、私たちのように臨床の疾患をターゲットにした免疫研究など色んな分野の研究が行われていて、知らないことばかりで刺激的でした。
大学院卒業後のアメリカ留学
人として視野が広がったなと思います
山名:
先生は大学院卒業後にアメリカに留学もされていますよね。色々なところで研究されていてすごいですね。
長谷川:
海外で暮らすなんてとんでもないと思っていましたが、留学を勧められて、まあそれもいい経験かなと思って。大学院入学と同じ動機ですね。今振り返ると大変なことも多かったですけど、研究云々の前に人として視野が広がったなと思います。
山名:
日本とアメリカでの研究の違いは何かありましたか。
山名先生
長谷川:
研究に関しては、日本でもアメリカと遜色ない研究ができるかなと思いました。ただアメリカには世界中から色々な人が来ていて、世界の様々な情報を直接見聞きする機会が多いなと感じました。
山名:
日本の研究も遜色ないと聞き勇気を貰いました。では、先生のこれまでの研究内容について簡単に教えてください。
長谷川:
大学院に入ってからは眼の中での血管新生と免疫の関係について研究を始めました。免疫系は大きく分けると、マクロファージなど炎症の初期段階から働く自然免疫系とその刺激によって動き出すT細胞を中心とした獲得免疫系に分けられますが、その自然免疫系に興味を持ち眼内の血管新生での役割について研究しました。現在は主にぶどう膜炎をターゲットにやはり自然免疫系の役割について研究しています。
山名:
研究をしていてブレイクスルーみたいなものはありましたか。
長谷川:
そんな大したものはないですけど… 以前行った研究の具体的な話をすると、一般的には炎症性サイトカインのインターロイキン17は獲得免疫系のTh17細胞が主に産生するのですが、眼内の血管新生モデルではこのTh17細胞では無く、自然免疫系のγδT細胞がインターロイキン17を主に産生していることを見つけました。小さな発見ですが、それでもやはり有意なデータが出た時は嬉しくなりますね。その発見を軸にさらに実験を組んでデータを積み重ねていき、論文にすることが出来ました。
研究に対するモチベーションは?
新しいことを見つけた時は嬉しいし、さらに興味が湧く
山名:
自分が研究していて思うのは、研究を長く続けることはすごいと思うのですが、先生の研究に対するモチベーションは何でしょうか。
長谷川:
結果の出ない研究もたくさんありますし大変だなと思うこともありますが、さっき話したように何か新しいことを見つけた時は嬉しいし、さらにその先へ興味が湧きます。あとは学会で研究成果を報告した際に、国内外の研究者たちと初対面でも研究を通してコミュニケーションが取れる、そういうことも研究のモチベーションの一つですかね。もちろん論文を書くことや学会で発表することが最終目標では無く、治療に繋がるような発見をすることが目標なんですが。
山名:
分かりました。私も頑張ります。最後にこれからの展望について教えてください。
長谷川:
今は日常診療もあって研究に割ける時間が少なくなっていますが、山名先生をはじめチームで協力していい発見をしたいなと思っています。これまでずっと自然免疫系を研究してきたし、性格的にも控え目な方なのでT細胞のような花形の細胞ではなく、自然免疫系の細胞について研究を続けていきたいと思います。 笑
長谷川と山名先生

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