私は、入局して2年間眼科診療を経験した後に、横浜の理化学研究所に赴任し、病気のなりやすさに関わる遺伝要因の研究に携わる機会を6年間頂きました。加齢黄斑変性や原発性開放隅角緑内障など、患者さんの失明の原因となる眼科疾患の網羅的ゲノム解析により、発症に関わる遺伝要因の発見に貢献しました。また、出向中は、眼科疾患以外にも様々なプロジェクトの統計解析を担当し、アジアでは最大規模のヒトゲノム解析に携わる機会を得ました。平成30年度から九大眼科に戻っておりますが、診療と併行して、ビッグデータ解析の経験を生かし、データサイエンスを医療に役立てようと、ゲノム研究を継続するともに、AIで用いられる機械学習も活用して診断や病態解明に関する研究に取り組んでいます。
九大眼科は、それぞれが個性を自由に発揮できる場所です。医師として働き出した時には自分では気づくことが難しい、一人一人の適正を見出し、個人の可能性を最大限に引き出してくれます。ゲノム診療、AI診断、遺伝子治療、ロボット手術など、これからの医療を形作る診断技術や治療法の開発についても積極的に取り組んでおり、活気に溢れています。九大眼科で、次世代の医療を共に創りましょう!