動画で解説
早産で生まれた新生児(低出生体重児)の発達途上にある網膜血管が閉塞し、それに続いて血管新生を伴った増殖性病変をきたす疾患です。自然治癒する場合もありますが、増殖性病変が増悪する場合は治療が必要となります。
九州大学病院では年間約80人くらいの新生児をNICU(新生児室)で診察しています。そのうち、約10人前後のお子さんに治療を行っています。
網膜光凝固術や冷凍凝固術は有効性が確認されている治療法です。現在では網膜光凝固術が広く行われています。網膜光凝固術後もまだ進行状態にある場合は、必要に応じて追加凝固を行います。また、増殖性変化が進み網膜剥離に至る場合は、硝子体手術が必要なこともあります。
最近では血管新生阻害剤を眼内に投与することによって、未熟児網膜症の血管活動性を抑える治療があります。ただし、長期予後が不明で合併症のリスクもあるので治療は慎重に行う必要があります。