留学体験記
セントルイス留学体験記
福田 洋輔
第2回(2025年9月5日)

WashU

WashU周辺の様子

ラボミーティング
留学先のWashington University in St. Louis(略称WashU)は、アメリカ中西部の中規模都市であるセントルイスにあります。比較的四季がはっきりしており、日本で言うと北関東から東北地方くらいで、そこまで雪が降らない地域、といった感じの気候です。私が住んでいる地区は早朝や夜に若い女性が1人で歩いたりジョギングしているのによく遭遇しますし、歩きスマホをしている人もいますから、治安は悪くないです。
Washington Universityはノーベル賞受賞者を現在までに26人を輩出しており、特に医学部は全米トップ10内に位置し、このノーベル賞受賞者の多くはノーベル生理学・医学賞を受賞しています。2025年4月時点で、WashUでポスドク(博士号取得後に働く研究者)として勤務する研究者の75%は医学部に所属し、66%がビザによって海外から留学しており、アジア系が52%と聞きました。日本人はそこまで多くはないですが、近年は徐々に増えているようです。
私が所属しているApte Labには、日本人が多く在籍しています。現在、私も含めて日本から4名の研究者が留学中です。日本人がいないラボで頑張るのにも憧れますが、困った時に相談させていただく日本人の先生がいるのは、とても心強いです。
私の研究テーマは” RPE lipid processing”です。自分が研究に扱うマウスの世話をしながら、徐々に研究を進めています。他の研究者と一緒に実験を行うこともありますし、毎週月曜日に行なっているラボミーティングもとても面白いです。誰か1人が交代でプレゼンをする、というのが2週間に1回行われていますし、この交代制のプレゼンを行わない週は全員が短いプレゼンで、最近の進捗状況を報告し議論をしています。「こんなに面白いデータが出たんだぞ!」と報告できるように、日々頑張ります。
第1回(2025年6月11日)

送別会

ARVO2024にて
こんにちは。2019年入局の福田洋輔です。2025年3月に博士号を取得し、4月よりアメリカ・セントルイスのWashington University in St. Louisで研究留学を始めました。医学生や研修医の方々に、留学の魅力を少しでもお伝えできればと思い、この体験記を書いています。学生の頃から海外留学に興味があり、九州大学眼科でのローテート中に多くの先生方から助言をいただきました。
当教室は留学経験のある先生方が多く、熱心にサポートしてくださる点が大きな魅力です。大学院3年の2023年に園田教授から、Washington University in St. LouisのRajendra Apte教授をご紹介いただきました。Apte教授の講演を以前聴講した際、私の初めての研究テーマであった「網膜下出血」についての講演をされており、深く印象に残っていたこともご縁を感じた一因です。2024年のARVOで面会し、正式に留学が決まりました。日本からシアトル行きの飛行機の中ではずっとApte教授への自己紹介のための英語プレゼンの練習をしており、当日はソワソワと落ち着かない気持ちもあったのですが、初めてお会いしたApte教授は熱心に耳を傾けてくださり、「来年ラボに来るのを待ってるよ!」と言っていただきました。留学が無事に決まった際にはとても安心したのを今でも覚えています。
初のセントルイス留学で不安もありましたが、教授や先輩方の温かい支援を受け、充実したスタートを切ることができました。







