2017年度から九州大学病院で眼科後期研修を始めた林田と申します。
現在九大病院眼科では病棟医を2チームに分け、火曜日・木曜日の定例手術のどちらかを一方のチームが担う体制を軸として、チーム制で診療にあたっています。それぞれのチームには専門医資格を持った主任医師が置かれ、多忙な業務の傍らで若手の指導を行っています。
また、病棟診療に加えて外来業務の機会も与えられ、各外来指導医のもとで診療計画の立案から診察・治療まで学ぶことができます。
総回診(8:30~)
月曜日は朝8時半から総回診です。教授に入院患者さんのプレゼンを行い、適宜意見を仰ぎます。
回診後は外来です(各病棟医は月・水・金いずれかで外来を行っており、自分の場合は月曜日担当です)。自分が執刀した症例の再診はもちろんのこと、新患や急患、院内紹介まで幅広い症例の診療を行います。病棟に比べて外来では時間的制約が大きいため、スムーズな診療のために必要な問診や評価、検査計画の組み立てに心血を注ぎます。結果を踏まえて指導医による再評価や診療方針の決定を行います。
17時半から医局会があり、術後症例の経過報告や難症例のディスカッションを行い、多数の先生からアドバイスをいただきます。
専門外来(手術日)
火曜日は朝から専門外来です(もう一方のチームにとっては手術日です)。自分は緑内障・網膜色素変性症の専門外来を担当しています。各専門外来の責任者である専門の先生にその都度意見を仰ぎながら診療にあたっています。
緑内障や網膜色素変性症は基本的に“不可逆”な疾患であるため、患者さんの多くは常に視力低下・失明の恐怖に晒されています。それらの診療を通じて、視機能と人生観との密接なつながりを日々実感しています。
回診
水曜日の朝は総回診後入院した症例や火曜手術後の症例の回診があります。ここでも教授に対してのプレゼンがあり、方針・経過の確認を行います。
午後からは入院患者さんの対応です。自分は木曜日手術担当チームなので、術前日の水曜日は受け持ちの入院が最も多くなります。術前検査や診察を行い、主任のチェックを受け、翌日以降の準備を行います。
夕方からはウェットラボがあります。九大眼科では各メーカーさんのご協力のもと、ほぼ毎週、豚の眼を使って顕微鏡下での白内障手術やその他手技獲得の場が設けられています。病棟医同士切磋琢磨し、指導医の試験に合格すれば、いざ執刀医としての第一歩を踏み出すことになります。
手術日
木曜日は丸1日手術日です。白内障はもちろん硝子体手術、緑内障手術、眼形成、涙道、腫瘍手術など、多岐にわたる手術が行われています。
助手として、時には執刀医として手術を行う中で、多くの手技を学ぶとともに、同期や上級医の姿からは自分自身の興味や適性のヒントが得られます。
術後回診
金曜日の朝は術後回診です。前日の手術症例1例1例を病棟医長が診察し、適切な術後管理について再確認が行われます。
その後、病棟医はそれぞれ病棟業務や外来などに向かいます。自分の場合は九州医療センターでの外勤です。院内紹介、時々新患の診療を通して大学病院とは異なる環境を経験します。大学外で得た知識は診療の幅として活きてくるものであり、また次年度以降の関連病院勤務にもつながるものと思います。
休日
週末や祝日などは病棟医間で当番を決め、休養が確保できるように配慮されています。少なくともどちらかのチーム主任医師にはいつでも相談できる体制であり、普段から主担当以外の症例も情報共有されているため、担当医が学会等で連日不在であっても、当番医は混乱なく診療を行うことができます。