九州大学大学院医学研究院眼科分野 九州大学医学部 眼科

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留学体験記

カリフォルニアでの留学体験 石川 桂二郎

学会のポスターの横で腰に手を当ててほほ笑む筆者
学会でのポスター発表(筆者)

 アメリカ西海岸のロサンゼルスにありますドヘニー眼研究所での2年間の留学体験記が、留学に興味のある若い先生たちの背中を押すきっかけになればと思います。以前より、先輩医師(父を含む)から4,50年ある医師としてのキャリアの中で、2-3年の海外留学経験が人生の大きな財産になるという話を聞いており、漠然と興味を持っていました。大学院に進学して研究を行ううちに、留学が徐々に現実的なものとなっていき、大先輩で当時の主任教授である石橋達朗先生の後押しで願いが叶いました。

~海外での仕事、生活は心配無用~

左:住んでいたアパートからの風景 右:ドヘニー眼研究所
左:住んでいたアパートからの風景 右:ドヘニー眼研究所

 これを読んでいる方の中には、留学に興味はあるけれど、海外での仕事や生活は不安だという方がいるかもしれません。仕事に関してですが、日本で研究を行った経験があれば、レベル的に問題ないと思います。日本人は留学開始時から高いクオリティの仕事ができると評価されていると聞きます。仕事場でのコミュニケーションに関しても、内にこもらず社交的で自分をオープンにすることを心がければ心配ないです。仕事内容は必ず評価されますので、自信をもって臨めばいいと思います。異国での生活については、最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが大丈夫です。海外旅行をしたことがある人でしたら、着いて最初の2,3日はドキドキしたけれど、帰る頃には慣れてきて離れるのが恋しくなったという経験をしたことがあるかと思います。それと同様で、少し住めば順応し、日本との違いなどを楽しむ余裕が出てきます。私の場合は、家族連れでしたので、当初は妻が不安そうでしたが、徐々に海外生活を楽しみ始め、現地で友人(日本人を含む)をたくさん作って、途中からは帰りたくない、そして、帰国後の今は戻りたいと言っているほどです。

~アフターファイブと週末を楽しむ!~

モニュメントバレーの景観
モニュメントバレーの景観

 留学中の研究の苦楽は、他稿にお譲りして海外生活の醍醐味を紹介します。私が留学していたアメリカでは皆、プライベートの時間を大切にしていました。仕事場にいる時間は決して長くなく、極端に言うと9時~17時で帰ります。週末は、よほどのことが無い限り仕事場には現れず、金曜はフライング気味で15時くらいには帰宅しているひとたちも多かったです。仕事をさぼっているわけではなく、効率よく仕事を行っていました。日本スタイルになれていた自分も、徐々にアメリカスタイルに順応していき、アフターファイブと週末を思い切り楽しむようになりました。(もちろん仕事の手を抜いたわけではありません)
 私が滞在したカリフォルニア州は、1年のほとんどが晴天で、湿度が低く、大変過ごしやすいため居住地として世界中の人を魅了している所です。週末には、車で周辺の自然公園(グランドキャニオンなど)に行って雄大な景観を楽しんだり、気候や地形の条件が良いためキャンプなどを家族で楽しみました。日本とは全く違う余暇の過ごし方で、たくさんの思い出を作ることができました。

~人との出会いは将来の財産に~

 留学中は、多くの人との新たな出会いがあります。現地で出会う日本人は、業種や年齢などの垣根を越えて、皆で助け合おうという連帯感があり、大変深い繋がりを持つことができ一生の友人となりえます。また、海外生活を実践している人達は、グローバルな物の考え方を持っていますので、一緒に過ごすと人生観が広がります。
 留学先で一緒に仕事をした眼科医や研究者との繋がりは、将来的に必ず役にたつものと思います。知り合いの先生のつてを利用して見学に行ったアメリカの大学病院やクリニックで出会った先生達は、学会などで再会することが必ずあるでしょうし、臨床経験を積んだ後に再度見学に行くなどして、自分の臨床スキルの幅を広げることが期待できます。

 異文化の中での生活は、アメリカの特長を学ぶと同時に、日本の素晴らしい点もを再認識することができる素晴らしい機会です。九州大学眼科は、留学経験者が多いため、興味がある方は、気軽に先輩達に声をかけてみてください。皆さん、生き生きと体験を語り、そして親身に相談に乗ってくれると思います。

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