九州大学 医学部 眼科

健やかな瞳で明るい未来へ

専門外来のご案内

診療グループ

ぶどう膜炎 (初診:水曜日・金曜日、再診:火曜日午前・水曜日午後)

スタッフ:園田康平、長谷川英一、清武良子、明神沙弥香
対象疾患

対象疾患 サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病に代表される眼炎症疾患

ぶどう膜とは虹彩、毛様体、脈絡膜のことを指しますが、眼内の炎症性疾患を総称して ぶどう膜炎と呼んでいます。眼だけの病気というよりは、全身の血管病の一症状として ぶどう膜炎が起こることが多く、代表疾患以外にその他の自己免疫性疾患や、感染性疾患、腫瘍性疾患などいろいろな病気があります。
現代医学では判っていない原因も多く存在し、検査をしても結局は原因不明となることも多々ありますが、膠原病内科や呼吸器科を始めとする他科との連携を行いながら病気症状に応じた診療を行っています。また、多施設と共同で行っている網羅的迅速診断システムの研究開発を通じて、できるだけ多くのぶどう膜炎の原因が解明できるよう務めています。
 ぶどう膜炎の診断治療としては副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤、原因によっては抗生剤や抗腫瘍薬等を使用します。これらに加え、最近ではTNF-αという炎症性サイトカインに対する分子標的薬であるインフリキシマブ(レミケード)がベーチェット病のぶどう膜炎に対して保険適応が認められ、治療成績に大きく貢献しています。また、インフリキシマブはベーチェット病のみの保険適応ですが、この夏からは新薬の治験が始まります。この新薬はベーチェット病以外の難治性非感染性ぶどう膜炎も対象としており、ぶどう膜炎全体の治療成績の向上が期待されます。
当科ではこのような新しい内科的治療を積極的に取り入れながら、炎症コントロール、または診断目的で硝子体手術も積極的に行っており、治療成績は向上しています。

加齢黄斑変性 (初診:月曜日・水曜日・金曜日、再診:木曜日午前)

スタッフ:大島裕司、吉田茂生、塩瀬聡美、宮崎勝徳、狩野久美子、徳永瑛子

厚生労働省特定疾患研究事業「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班」班員である石橋達朗教授が精力的に診察に当たっており、全国でも有数の専門施設です。症例数は年々増加しており、現在は年間約800人です。活動性病変に対してはレーザー光凝固、光線力学療法(PDT)、抗血管新生薬の眼内注治療を行っています。また新しい薬物療法の臨床試験も複数行っています。

  薬物療法の臨床試験についてのお問い合わせはこちら

緑内障 (初診:月曜日・水曜日、再診:第2・4火曜日午前)

スタッフ:池田康博、村上祐介、中武俊二、立花崇、沖田絢子、下川翔太郎

緑内障は、「眼圧が高い」ことで症状が進行していく病気というイメージがありますが、日本人には眼圧が高くない、正常範囲内の患者さん(正常眼圧緑内障)が多いことが疫学調査によりわかっています。また、40歳以上の約5%の方が罹患しており、我が国の中途失明原因の第1位である重篤な病気です。  当院では、正常眼圧緑内障を中心に、OCTを用いた神経線維層の画像診断による進行度の形態学的評価、ならびに視神経乳頭部近傍の血流測定などにより、緑内障の早期診断に力を入れています。また、点眼薬の治療効果判定を眼圧のみでなく血流改善の面から検証し、患者さんに合った点眼薬の処方を目指しております。  手術は、線維柱帯切除術や線維柱帯切開術を中心に年間約80例行っています。難治性の血管新生緑内障に対しては、硝子体手術や抗VEGF剤を併用した線維柱帯切除術を積極的に行っています。

未熟児網膜症および小児眼疾患 (初診:月曜日・水曜日、再診:第2・4火曜日午前)

スタッフ:塚本晶子、村山美和、有馬充、藤川佳奈子
未熟児網膜症

新生児集中治療室(NICU)にて、未熟児網膜症の管理を中心とした新生児診療を行っています。周産期医療の発展に伴い、超低出生体重児の救命率は著しく向上しています。それに伴い、未熟児網膜症の患児も増加傾向にありますが、適切な時期に網膜凝固術を行えば、網膜症の進行を抑えることが可能です。また退院後も、長期にわたり視機能および晩期合併症に対する管理を行っています。

斜視、弱視

斜視に対しては、手術を中心とした治療、斜視および屈折異常に伴う弱視に対しては、眼鏡装用や訓練による治療を行っています。

先天眼瞼下垂、眼瞼内反症

視機能に影響を及ぼす高度の先天眼瞼下垂や眼瞼内反症(さかまつげ)に対しては、その原因に応じた手術治療を行っています。

先天性眼疾患

先天性鼻涙管閉塞症、先天性白内障、先天性緑内障、先天奇形などの先天性疾患に対する診療を行っています。

腫瘍・眼窩・眼瞼・涙道・形成 (初診:月曜日・金曜日、再診:月曜日・金曜日)

スタッフ:田邉美香、高木健一、藤川佳奈子、(吉川 洋、有田量一)

当院は眼腫瘍専門診療を標榜する全国でも数少ない施設の一つです。眼窩腫瘍、涙腺腫瘍、悪性リンパ腫、眼瞼腫瘍(脂腺癌や基底細胞癌)、結膜腫瘍(上皮内癌や悪性黒色腫)、また眼内の網膜芽細胞腫や脈絡膜悪性黒色腫の治療を行っており、これら眼部腫瘍の新患数は年間約250例です。当院では40年余にわたって眼腫瘍を専門的に診療しており、多くの患者様の長期経過をみていることに特徴があります。この経験から、腫瘍を切るというだけでなく、あるときは積極的治療、あるときは保存治療をと、患者様の人生計画とライフスタイルを考えて治療法を提案するようにしています。

結膜腫瘍

抗癌剤の点眼や結膜下注射を行い、早期例ではメスを入れずに治療、重症例でも最小限の手術で目に優しい治療を行います。結膜悪性黒色腫ではインターフェロン注射を併用して生命予後を飛躍的に改善させています。

眼窩腫瘍

眼窩壁の骨切りを上壁や下壁に拡大して大型の腫瘍も取り残しなく安全に摘出します。眼窩先端部の腫瘍は脳外科との連携で行います。

悪性リンパ腫

良悪性の診断が難しい眼部のリンパ腫に対しては遺伝子解析を含めた多角的な診断を行い、過少治療や過大治療が行われないよう細心の注意をはらっています。結膜の悪性リンパ腫では当院作成の角膜防護板を使用してほとんど合併症のない放射線治療を実現しています。

網膜芽細胞腫

全身化学療法、ダイオードレーザー(経瞳孔温熱療法)、抗癌剤局注による眼球温存治療、症例により眼球摘出、術後化学療法を行っています。小児科腫瘍グループとの連携で局所治療と全身治療を最適のタイミングで並行できるのが当院の特徴です。

脈絡膜悪性黒色腫

重粒子線、サイバーナイフ、眼摘、局所切除、から治療法を選択していただきます。サイバーナイフなどを用いた当院の定位放射線治療の成績は、局所制御100%、眼球保存91%です。

眼瞼腫瘍

抗がん剤点眼併用手術により切除範囲を縮小した「目に優しい」治療を行っています。眼瞼切除後は耳介軟骨や口唇粘膜、硬口蓋粘膜を用いた再建などを行います。眼瞼全体や頬部におよぶ手術では耳鼻科との連携で手術を行っています。

網膜硝子体 (初診:月曜日・水曜日・金曜日、再診:月曜日午後)

スタッフ:吉田茂生、宮崎 勝徳、仙石昭仁、中間崇仁、小林義行、久保夕樹

網膜硝子体外来では、網膜硝子体疾患全般の診療を行い、対象疾患は糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、増殖硝子体網膜症、黄斑疾患(黄斑円孔、黄斑上膜、硝子体黄斑牽引症候群など)、眼外傷(穿孔性眼外傷、眼球破裂)、腫瘍性疾患、炎症性疾患などです。
10名程の網膜硝子体疾患を専門にする医師が診療にあたっています。難しい疾患に関しては、その場で複数の医師が話し合い、正確かつ迅速な診断と治療を目指しています。
日々の診療では、最新検査機器を用いるなど、複数の検査を組み合わせることで客観的な評価による診断と病期の判定を行い、個々の症例に応じた定期的な経過観察や、外来治療を行っております。手術が必要な症例においては、入院治療へ円滑に移行しています。網膜剥離などの、緊急性の高い症例では、可及的速やかに入院して頂き、手術を行っております。我々の網膜硝子体疾患に対する手術成績は国内外でトップクラスであり、重症な網膜硝子体疾患を中心として年間約600例以上の手術症例があります。また、最近は、小切開硝子体手術の件数が増え、患者さんの早期社会復帰を可能にしています。常に新しい術式の開発や術後のデータを分析することで、安全で質の高い最善の手術法を実践しており、その結果を国内外の学会で報告しています。

網膜色素変性 (初診:月曜日・水曜日、再診:第1・3・5火曜日午前)

スタッフ:池田康博、村上祐介、中武俊二、立花崇、沖田絢子、小柳俊人、下川翔太郎

網膜色素変性は、遺伝子のキズによって網膜が少しずつ傷んでいく病気です。暗いところで見えにくいという「夜盲(とり目)」ではじまり、「視野狭窄(見える範囲が狭くなる)」により、人や物にぶつかりやすい、つまずきやすい、などの症状が出てきます。当院では、年間約400名の患者さんをフォローしています。  患者さんやご家族の話に耳を傾けることを基本姿勢とし、病気の原因や進行度、遺伝など、網膜色素変性という病気を正しく理解し、上手にお付き合いするための情報提供に重点を置いています。また、黄斑部合併症をはじめとした治療可能な合併症の早期発見・早期治療を目指した診療を実践しています。  臨床研究も積極的に行っております。

現在は、

  • 緑内障点眼薬による神経保護効果の検討
  • 黄斑浮腫に対する炭酸脱水酵素阻害剤点眼薬の治療効果の検討
  • 夜間歩行支援装置の開発

を進めています。  

また、近未来の治療法開発のひとつとして、遺伝子治療の臨床応用を目指した研究を進めています。平成20年20月に学内倫理委員会にて臨床研究実施計画の承認を受け、平成22年10月に厚生労働省への実施申請を完了しました。現在は、厚生科学審議会における審査を受けているところです。臨床応用へ向けた準備は着実に進んでいます。網膜色素変性に対する新しい治療法開発の大きな一歩を踏み出そうとしています。

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